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No side
六車有栖と黒陽瀬采が食堂から去っていったのを見て八雲百鬼は口を開けた。
「神楽と会計お前らも風紀室に行け。」
「え、副委員長ならまだしも俺もぉ?」
「東堂とさっきすれ違ったが方向的には風紀室だったぞォ。謝るなら今だぜ」
そう言うと樹は無言で食堂から去っていくので神楽は置いていかれないように委員長に会釈をしてから走っていった。
「さてこれで都合が悪い人間…はいるが俺はどうでもいいしちゃちゃっと話するぜェ。心底一緒にいたくないやつもいるしなァ」
そう百鬼は言って転校生…否久我泰誠の方をチラ見してから他の生徒会メンバーを見据えた。
「お前らに、優しい百鬼くんが1つ忠告をしてやろう。そこの転校生とつるむのは辞めといたほうがいいぜ?」
百鬼は転校生の方に歩きながらそう言った。
転校生が微かに眉をひそめたのを百鬼は見逃さなかった。
「よう……久しぶりだなァ、泰誠。まぁ彼奴は微塵も覚えてなさそうだけどな」
百鬼は転校生の目の前で足を止め襟首を掴んだ。
「お前がなんでここに来たかは知らねぇ…が俺達の宝物にまた手ぇ出したら今度こそ潰すぞ」
百鬼はドスの効いた声でそう言い後ろを向いた。
そのまま振り返ることも無く食堂を出ていった。
「ハッ…お前が俺に取られる前に守れれば手は出さねぇよ。……まぁ守れればの話だけどな」
「…泰誠…?」
「どうした?風見」
「ううん…大丈夫かなって…」
「大丈夫!?泰誠怪我してない?あの暴君にのんか他にされてない?」
「おう!!大丈夫だぜ!!きっと照れてるんだ!俺は優しいからな!今度謝ってもらったら許すぜ!」
「泰誠は優しすぎだよ〜!」
「そうですね、泰誠はタラシですもんね」
生徒会メンバーはそう言いながら百鬼に対しての文句を口々に言い始めた。
「俺との約束忘れたとか言わせねぇからな…瀬采」
泰誠がそう小さく呟いたことを誰も知ることは無い…
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