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そうこう話をしているうちに転校生が
親衛隊に突っかかっていったようで類がそれを止めに行った。
で、相変わらず会計と神楽先輩は喧嘩している。
おれはいつも巻いているマフラーをくいっと上げて先輩たちの方へ向かった。
「神楽先輩。いい加減やめて欲しいんすけど。あと会計は邪魔なんでどっか行け」
収集がつかなくなる前に止めに入った。
この人たちの相性の悪さは副会長と委員長ぐらいの水と油の関係だから早めに止めるのが懸命だ。
「ごめんね、瀬采。つい頭に血が上って…」
「風紀の下僕なんかに邪魔なんていわれたくないんですけどぉ」
「あ?うるせえなお前。ここは食堂なんだよ。喧嘩を吹っ掛けたのはお前の方じゃねぇか…サボって東堂先輩に迷惑ばっかかけてる無能が…」
「ストーップ。喧嘩止めてくれてありがとね。瀬采。ただそれ以上は言っちゃダメだよ」
「…ちょっと頭冷えたっす。類の方手助けしてきます」
瀬采はそう言って類の方へと駆け足で行った。
「躾なってないんじゃないの?俺に暴言吐くなんて」
会計…もとい前原 樹は俺にそう言った。
「お前が煽るようなこと言うだろ…」
「えぇそうかな?でもああいう子俺は嫌いじゃないよぉ」
「キモイんだよその喋り方」
「ごめんて。でも会長には迷惑かけちゃったな」
「もういいのか?」
「うんまぁ委員長に言われたことは
全部調査したしそろそろ会長にも謝ろっかな」
樹はそう言って頭をかいた。
この男は風紀委員長と色々と繋がっていてこのチャラそうな性格も嘘だ。それを知っているのは神楽と百鬼しか居ないというのが本当に面倒臭いところだ。
「それにしてもあの子のキレ凄まじかったな。ヤクザ顔負けじゃない?」
「ヤクザが言うんじゃない」
「てへ」
そんな会話がされていたことを知らない瀬采は類と共に転校生と親衛隊の取っ組み合いを止めていた。
「お前ら取り敢えず落ち着け!!!」
「誰だよ!お前は!!!かっこいいな!!名前はなんなんだ!」
もじゃもじゃした方…転校生は俺の方に向かって突っかかってきた。いやうるさいしうぜぇ…
「総隊長には事情を聞きたい。風紀室に同行を頼みます。類、お前はほかの隊員と食堂の混乱沈めて来てくれるか」
「了解だ。パイセン」
そう一言言って類は去っていく。
俺は目の前にいる親衛隊総隊長六車 有栖先輩に目をやった。
しかしことはそう簡単には動いてくれないようだ。
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