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「風紀委員のくせに偉そうにしないで下さい。それに泰誠は何も悪くなんかないです。そこの親衛隊が突っかかってきたんですよ」
生徒会副会長である小野坂悠里は俺に向かってそう言った。
「そーだそーだ!!」
「泰誠…何も悪くない」
双子庶務の名塚弥生と名塚皐月と書記の片岡風見は副会長に同意見なのか俺を責めるような目で見ながら副会長に同調した。取り巻きである、腹黒爽やかや番犬不良も同意見なのか頷いている。
相手をするだけこれSAN値取られるだけだ…と俺は思って無視して先輩の方を向いた。
「詳しくは風紀室で聞きますけど簡単な状況だけ今この場で説明できますか?」
「はい。僕達がご飯を食べている最中に突然そこのマリモが声をかけてきて淫乱だとかお前たちがいるから副会長様たちに友達が出来ないんだとか…いつもと同じようなことを言われてカチンと来てしまって」
先輩はそう答えた。
これを聞いて俺は事実だけを言っているように見えた。
さっきから転校生がうるさいままだしこれは移動した方がいいなと思い六車に目配せをして俺はさっさと立ち……去ろうとした。
「おい!!待てよ!お前!」
俺の前に転校生が立ち塞がった。
マジでこいつなんなんだよ…
裏鬼が鬱陶しいって言ったのも分かるぞコレは。
「俺の質問に答えろよ!!名前を教えてくれ!」
だからこいつ五月蝿いって…
呆れを通り越して笑ってしまうぞこんな宇宙人…
「年上に先ず敬語を使えよ…俺は…ムグッ」
うるさすぎて鬱陶しくなった瀬采が名前を名乗ろうとした瞬間口が塞がれた。
マフラーごと掴まれたせいで口がモゾモゾする…
「せっちゃん…あれだけ絡むなって言ったのにねェ」
「いいんひょう?」
委員長は俺を後ろから抱きしめてマフラー越しに頬をむにむにし始めた。なにやってんの?この人。
「はいはいーい委員長ですよォ?後は俺が何とかしておくからアリスちゃん連れて風紀室行ってこい」
そう言って委員長は俺を抱きしめるのをやめて俺の背を押した。
「いやでも………なんでもないっす。了解しました」
俺は委員長から無言の目で見られたので大人しく従うことにした。先輩に視線を合わせたら分かってくれたようでそのまま食堂を後にした。
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