狼くんの日常

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瀬采side ───華僑学園(かきょうがくえん)とは 総生徒数5000人を超える超マンモス校である 全寮制であり大臣の息子、有名社長の息子など所謂上級国民が多く通う学校である。それ故にセキュリティも万全だ。ただ華僑学園は男子校でありさっきも言った通り全寮制であるから閉鎖空間となっている。そのため、男子が男子を好きになること同性愛というものが頻繁に起こる。男子の中にも女性っぽい子がいるからだろうか、無理やり襲う強姦なども多発する。だから俺らのような風紀委員というものが存在するんだが… 「ハァ……。マジでなんなんだよ彼奴」 今の頭痛の種である風紀委員長八雲 百鬼(やくも なきり)は愉快犯だ。周りが苦しめられても平気でケラケラ笑ってる。あれはもうサイコパスだろと俺は思っているが…。この大量の書類も俺への嫌がらせだろうなと思う。いい加減にしやがれ… 「あ、先に来てたんだね、瀬采」 「……神楽先輩っすか」 この人は風紀副委員長の彩宮 神楽(さいみや かぐら)。委員長と違って真面目で優しい人だ。偶に黒い部分もあるけど 「まだ百鬼来てないんだねぇ…」 すいません神楽先輩!!その黒いオーラしまってください。 俺は内心震えながら心の中で願った。間違っても口に出してはいけない。 しばらく神楽先輩と今後の話をしていると ガチャと目の前にある扉が開いた。 「お前ら、久しぶりだなァ」 噂をすればなんとやら……か? でもなぁ、その前に思うんだよ…… 「このクソ委員長ッ!!!どこいってやがった!!」 「おーせっちゃん相変わらず元気だねェ」 「せっちゃん言うな!!!」 あーッやっぱり此奴楽しんでやがったなッ!! マジで許さねぇあの野郎…ッ 俺はイラつきを落ち着かせるためマフラーを整えた 「百鬼、僕の可愛い後輩を苦しめないでくれ」 「お前の後輩であると同時に俺の後輩でもあるがな。此奴は出来るやつなんだし俺がやらなくてもいいだろォ?」 「後輩に任せっきりな委員長でいいのかい?また生徒会にドヤされるけど」 「フン、生徒会みたいなお坊ちゃん集まりにどうこう言われる筋合いなんてないね」 「それは同意するよ」 あぁ、この2人って確か生徒会嫌いだったか。 生徒会は主に学校運営を指揮している。風紀委員会とはどの代でも仲が悪いらしい。俺は1年しかまだいないからよく分からないんだけどな。 ちなみに生徒会長である東堂先輩は副委員長の幼なじみで生徒会唯一の常識人らしい。これは委員長から聞いた話だが…。 「百鬼、ちゃんとこの書類やっといてね」 「そのために来たんだけどな」 「僕と瀬采は生徒会に資料届けにいってくる」 「おー」 「待たせたね瀬采。行こうか」 「いや大丈夫っす」 この人達マジで切り替え早い。 俺はこの二面性の温度差で寒気がしてくるんだが… まぁこれが俺らの日常。 生徒会と罵りあい、委員長はサボっては神楽先輩に説教されて、俺は委員長の尻拭いをする… それがずっと続くと思っていた。 あの問題児(トラブルメーカー)が来るまでは
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