忘れものを忘れていた。

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『──優勝は、ライスバーガーに決定しましたー!』  今でも夢にみる去年の悪夢。  大きな拍手と舞い散る紙吹雪。  その中で優勝トロフィーを手に泣いて笑っているのは、俺たちではなかった。  準優勝など、なんの価値もない。  あの頂上決戦において価値があるのは優勝だけで、トロフィーを手にしなければ準優勝も最下位も同じことだ。  俺の隣で悔しそうにしながらも拍手を贈る相方の目は涙で光っていた。けれど、俺は泣かなかった。  泣いていいのは、優勝コンビだけだと思ったからだ。
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