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「一度ときちんとスタールと話をさせて。それが出来ないと言うなら、私は何をするか分からないわ。」
そんなリェフの言葉にセギロは面白そうに笑った。
「おや、それは脅しかね? まあ、構わんよ。彼のいる場所まで案内をしよう。」
そう言って、セギロという男は背を向けた。まるでリェフが実際にスタールと会って、安否を確認するまで、自分を攻撃することが出来ないのを分かっているかのように。
そうして、セギロは「彼のいる所はこの建物の最上階の屋上だよ。君たちは箒に乗って来たと聞いたが、結界を張っていたから、見えなかったんだろう。」
と言って、二人を階段に連れて行った。
そして、彼は最後まで案内するつもりなのか、そのまま階段を上り始めた。
「あ、あの。スタールはこの組織は月蝕を抑える方法を知っていると言っていました。それって本当ですか?」
ムメはそうセギロに尋ねながら、心の中で本当でありますようにと祈った。
彼女はフェイマのことを好んではいなかったし、怖いとすら思っていたが、苦しんで欲しいと思っているわけではなかった。
「本当だよ。」
そうセギロが答えた後、
すぐにリェフが「本当なわけないじゃない! 」と叫んだ。
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