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「あ、兄弟子? そんな子供なのに?! 」
「馬鹿にするな! 俺はもう20歳超えてるんだぞ! 」
そう言い返されて、ムメは自称兄弟子の姿を上から下まで見た。
自分よりも小さい背丈に細い手足。
声変わり前であろう高い声。
どう考えても自分よりも年下だ。
そして、顔は目が大きくて中性的な感じだった。将来有望と言えなくもない。最も、それは年齢には関係ないが。
そんなムメの視線に気が付いたのか、その男の子は不機嫌そうに顔を歪めた。
それから、彼は
「俺はこの年で成長が止まっているんだ。もし、そうじゃなかったら、こんなに不便な思いをすることもなかったのに。」
と吐き捨てるように言った。
「そ、そっか。」
ムメは嘘か本当か分からないながらに、一先ず頷くことにした。
そんな彼女を置いて、彼は屋敷に向かってスタスタと歩き始めた。
「ちょ、ちょっと、待って! 」
「俺はリェフに用がある。なんで止めようとするんだ。」
慌ててムメが引き留めると、彼は怪訝そうに振り返った。
「師匠は今具合が悪くて寝込んでいるの。だから、急ぎの用じゃないから、代わりに私が伝えておくから。」
「具合が悪い?あいつが? 」
急に心配そうな顔になった相手に、ムメは慌てて言葉を足した。
「あの、本人がただの風邪だって言っていたから。でも、結構辛そうだったし。」
「そうか。それじゃあ、出直す。」
「え?」
そういうと、彼は口笛で大きな鳥のような生き物を呼んで、その足を掴んであっという間に去って行ってしまったのだった。
「一体、何の用だったんだろ。」
取り残されたムメは一人で呆然と呟いた。
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