1.占い師の予言

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 そう、ムメは陰キャでコミュ障だった。 まだ優しそうだったり、大人しそうだったりする女の人相手だったらマシだが、男の人やイケイケの女の人相手だと固まってしまう。 そして、どうにかこうにか会話してもぎこちなくなって、相手との話が終わるとどっとした疲労感と開放感を覚える… そういうタイプの女の子だ。 「とにかく今日の夜は自分の願っていたことを素直に望みなさい。」 占い師の先生は繰り返した。 「今日の夜ですか…。」 ムメはこの占い師さん、当たらないんじゃないの? とちょっと思った。 だって、今日はこれから家に帰って眠るだけだ。 誰かと遊ぶ予定なんて全然ない。 家に帰っても一人だ。 「そう! 縁があって知り合ったんだから、あなたには幸せになって欲しいのよ! 」占い師の女性はそうはっきり言った。 ムメはちょっと嬉しく思いながらも、どうせ他のお客さんにも言っているリップサービスだろうなと思った。 その晩、奇妙な夢を見るまでは。
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