10.火矢の祭典

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「おや、名高い魔女であるリェフとそのお弟子さんじゃないか。もう正体はバレているのだから、その無粋な姿を変える魔法は解きなさい。久しぶりに君の顔を見たいんだ。」 セギロという男にそう言われると、リェフは舌打ちをして魔法を解いた。 すると、当たり前だがリェフとムメの本来の姿に戻ることになる。 彼を紹介した組織の男は戸惑っているような顔をしたが、セギロが彼女たちとは昔からの知り合いで暫く3人だけにして欲しいというと、背を向けてどこかに行ってしまった。 「ごまかさないで答えなさい! どうしてフェイマの兄弟子であるあんたがここにいるの!」 リェフは苛立ったように彼を追求した。 すると、セギロは低い声で答えた。 「おや、魔法使いを価値のある者と考えているわたしが火矢の祭典に所属しているのがそんなに不思議かな?私はこの組織の素晴らしい考えに共感して、僅かでも糧になりたいと思って尽力しているのだよ。」 ムメは堪らなくなって、我慢できずに彼に尋ねた。 「あ、あのここにスタールっていう男の子が訪ねてきている筈です。私たちは彼の行方を探してここまで来たんです。なにか知っていませんか?」 「ああ、彼はこの組織の一員となったよ。今は大規模な儀式に参加する為に、わたしが用意をした結界の中に入ってもらっている。おや、随分安心したような顔をしているね。彼の身になにかあったのかと心配していたのかな?」 その言葉を聞いてムメは肩の力が抜けてしまった。 しかし、リェフは違ったようだ。
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