第1話 俺が超えるべき存在はアイドルー海斗Side

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「海斗、行こう! 学校」 「ああ」 「えっ! 海斗、学校行っちゃうの? 朝ご飯は?」 「もう食べたし、初日は早く学校行きたいんで」 「一緒に朝ご飯出来なかった」 「皆さんもうとっくに仕事行ってますよ」 「ごめん。昨日遅くまで起きてたからさ。お兄さんリーダーだから仕事山積みで……」 「行ってきます」 「やっぱり俺に塩対応だよね⁉︎」 新しい学校は芸能人ばかりが通う所らしい。 「学内での様子をSNSに投稿する事は禁止、恋愛禁止、学校帰りの寄り道は控える事、授業内容の漏洩禁止。ふーん? まさに芸能学園って感じの校則だね」 「寄り道も控えた方が良いのか」 「誘拐されたり、週刊誌に狙われたり、色々厄介だからじゃない?」 モモセと学校に向かう電車の中で校則の確認をした。 「学校が終わったら、ダンスレッスンとボイトレか」 「昨日急に言われたもんね。来月アリーナで一日だけライブするからラストに新メンバー含めた6人でデビュー曲のアレンジバージョンを披露するって」 「確かにいきなりMonopolize‼︎の曲20曲程やるのはきついから1曲なのはありがたいな」 「は? 僕は余裕だし」 「モモセは良いな。自信満々で」 「自信満々じゃなきゃアイドルなんて務まらないよ」 Monopolize‼︎のメンバーになった以上はすぐに先輩方に追いつく必要がある。 あんなきついコメントをされてたのはファンの人達に認められるアイドルになってないからだ。 だけど、学校に着いたら着いたで現実を突きつけられた。 TVでよく見るような俳優やアイドルが同じクラスにいるのだから。 モモセはすぐクラスに馴染んだ。 配信者として元々認知度が高かったのもあるだろう。 俺に足りないのは実力だけじゃない、認知度だ。 学校一日目を終えるとすぐダンスレッスンへと向かう。 デビュー曲のアレンジバージョンは歌詞も変更する為ソロパートの割り振り、振り付けが変更される。 振り付け変更前の振りは完コピしてたのに振り付け一新となれば話は変わる。
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