第1話 俺が超えるべき存在はアイドルー海斗Side

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「じゃあ、みんな。ラストの曲なんだけど……新メンバー2人を加えてデビュー曲のアレンジバージョンを披露するよ。さ、おいで。モモセに海斗ー」 「はぁい! 今日も世界で一番可愛い白雪モモセだよぉ! ピンク担当でーす! ようやくみんなに会えて嬉しいなぁ!」 ライブ当日。 俺とモモセがステージに立ったのはラストの曲の直前だった。 モモセみたいにアイドルらしい自己紹介しないと。 「新メンバーで水色担当の愛月海斗です。別にお前らに初めて会えて嬉しいと思ってないんだからなーっ」 い、言ってしまったー! けど、なんか変な空気に! 「そうそう。モモセはあざとかわいい担当で海斗はツンデレ担当なんだよねー!」 ハルヒさんナイスフォロー! 「可愛いでしょー? 海斗、超可愛いよね! 最近海斗好きすぎて夜も眠れないっ」 「は? お前、すぐ爆睡してんだろうがっ」 「えー?」 「誰がいつも起こしてあげてると思ってんだよ」 「ごめん、ごめん。いつも海斗には感謝してるよっ」 まずい、いつもの癖で玲央にタメ口! ファンの印象最悪では⁉︎ 「ま、まぁ……一番仕事してるのはリーダーだし、俺だって感謝……してなくはない。爆睡するほど頑張ってて偉いじゃん」 「海斗がデレたぁぁ!」 玲央が発狂すると、ファン達も発狂した。 大丈夫だった……のか? その後デビュー曲のアレンジバージョンを披露してライブは終わった。 今回は一曲しか参加しなかったが、次回からは全曲参加することとなる。 タダシさんやハルヒさんのおかげで見せられるレベルにはなったけど、ちゃんと先輩方のライブを生で見ると圧倒的な実力差は実感した。 明日からもっとレッスン頑張らないとな。 絶対絶対天王寺玲央を超えるアイドルになってみせるんだからなっ!
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