第2話 天王寺玲央がスーパーアイドルでいられる理由ー海斗Side

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「みんなぁ、今日はライブお疲れ様ー! カンパーイ!」 「か、乾杯」 ライブが終わると社長が予約してくれたイタリアンレストランの個室で打ち上げだ。 「ライブ終わりのお酒最高じゃんー!」 「龍馬様は最強だからウィスキー飲むぜよ」 「やはりこの店は落ち着く」 ライブ終わったのにこれから先の予定を社長に聞いたばかりだから安心出来ないな。 「海斗、お顔が堅いよ?」 緊張している俺に気付いて玲央が声をかけてきた。 「何だか怒涛の日々だなって思って」 「大丈夫だよ。最初は緊張するけど後は慣れだよ」 「あんたでも緊張するのか? グループで一番脳天気なツラしてっけど」 「するよ。リーダーって大変なんだよ?」 いつもヘラヘラしてるくせに。 料理以外は何でもそつなくこなすイメージだ。 「仕切るのはいつもハルヒさんだし、あんまリーダーって感じしないけど」 「ひどい! そりゃあグループで仕切るのはハルヒが多いけど! グッズのプロデュースやライブの演出、打ち合わせ系は大体俺が中心になってやってるんだからね?」 「そうだったな」 「だから、タダシやハルヒだけじゃなくて俺もちゃんと頼ってね? 海斗」 「ぜってぇ嫌」 「えー!」 そういえばさっきスマホにメッセージ通知来てたな、美月から。 『ライブ最高だったよー! 海斗、ちゃんとアイドルしてたね! 玲央くんが一番かっこいいのはもちろんだけど、その次に海斗がかっこ良かったよ!』 その次かよ! 「ちっ」 「えっ? 海斗、今俺の顔見て舌打ちしなかった?」 「気のせいだろ」 「そうそう。来週初めての音楽番組収録だよね」 「ああ、生放送のやつな」 小さな頃から知ってる生放送の音楽番組か。 「海斗と俺が敬愛する神城匠くんも出演するって」 「はぁ⁉︎」 「あれ? まだ番組の出演者一覧見てなかったんだ?」 「余計緊張すんじゃねぇか」 「えっ? 俺に緊張しないのに神城匠くんには緊張するの?」 「当たり前。お前と神城匠は格が違うんだよ」 「海斗、俺を推してよ!」 「絶対お断り」 「俺はこんなにも海斗が大好きなのにっ」 何でこんな気に入られてるんだ、俺。 こいつドMか何かなのか?
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