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二次審査は歌とダンスを審査員の前で披露するという内容だ。
美月が喜ぶからとカラオケで玲央が所属するグループ・Monopolize‼︎の曲を歌もダンスも完コピして披露してきた俺に怖いものは無かった。
「二次審査も合格したんだけど」
「マジ? やば!」
「えっ……あと面接さえクリアすれば芸能人って事か? 俺」
「すごいじゃん、海斗! アイドル目指す理由は最悪だけど」
「最悪言うなし」
というか一切緊張せずに出来たな。
恋に恋する男は何だって頑張れるってわけか。
とんとん拍子すぎて逆に怖い。
「海斗! アイドルオーディション受けてるなんて聞いてないけど!」
「み、美月……」
「しかも玲央くん達の事務所なんて! 海斗は繋がり厨なの!?」
「何でそうなるんだよっ」
「本当は玲央くんに憧れてたんでしょ? いつも興味無さそうにしてたけど……」
「は? 俺が憧れてるアイドルはあいつじゃないし」
美月にはオーディションの事は受かるまで隠し通したかったが、母親が美月の母親に黙ってるはずないよな。
「じゃあ何でアイドルオーディション受けたの?」
まずい、理由が最低すぎる!
「あの事務所って神城匠もいただろ? 今、神城匠はアーティストだけど……俺はああいうアイドルになりたいわけ」
神城匠は天王寺玲央の先輩で国民的スターといっても過言ではないスーパーアイドルだった。
「あ、でも玲央くんも神城匠に憧れてたから実質玲央くんも好きって事だよね!」
「ヲタクってすぐ自分の良い方に解釈するな。天王寺玲央はキラキラ爽やか王子様。神城匠は俺様系アイドル。系統が違いすぎるんだよ」
もしアイドルになれたら絶対憧れの先輩に天王寺玲央の名前は挙げない。
超えるべき相手だしな、奴は。
そして最終選考、面接……。
「最後に数ある芸能プロダクションの中からうちを選んだ理由を教えて貰えますか?」
「ーー天王寺玲央を超えるスーパーアイドルになりたいからです」
オーディションの最後の最後で俺はとんでもない発言をしてしまった。
だけど、それがきっかけだったのかもしれない。
「今日からMonopolize‼︎の新メンバーになる白雪モモセくんと愛月海斗くんです!」
「早く先輩達においつけるように、僕全力で頑張ります!」
「あ、愛月海斗です……宜しくお願いします」
何で……何で……!
「よろしくね、モモセと海斗」
「よろしくお願いしまーす! 玲央さん」
「よろしくお願いします……」
何で俺、好きな子の推しと同じグループになってるの⁉︎
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