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「やっと休憩か……すげぇな、レギュラーキャストは。俺よりたくさん撮らなきゃいけないんだもんな」
休憩終わったら玲央との共演シーンか。
俺死体役だけど。
「あの新人、天王寺玲央と同じグループなんだってよ」
「ああ、だから慣れてない感じがしたのか」
飲み物を買いに行こうとすると、自販機の前で出演者達がヒソヒソと話していた。
俺はすぐさま隠れる。
「どうせ事務所の力が強いから起用されたんだよ。天王寺玲央と一緒」
「そうそう。天王寺玲央なんか顔が良くて人気があるってだけで特別演技が上手いわけでもないのに」
「腹立つよな。俺ら役者一本で頑張ってるのに奴らアイドルは事務所の力さえあれば何でも使ってもらえて」
「片手間で仕事してんだもんな」
玲央って共演者からあまり良く思われてないのか。
「はい、スポドリで良かった?」
「れ、玲央⁉︎」
「しーっ。気付かれちゃうよ?」
「聞いてやがったのか。奴らの話」
「奴らって。というかそういうの感じてたから。態度とかで」
「悔しくねぇのかよ?」
「実力が足りないと思われるなら頑張るしかないし!お言葉参考にさせて頂きます。ま、俺を愛してない人にどう思われても別にへこんだりはしないけど!」
ん?
「俺だってお前を愛してないけど?」
「俺が愛してる場合は別。海斗の言葉は全部受け止めちゃうよ」
「うざ」
「でもさ、好きの反対は無関心ってよく言うじゃない? 彼らは俺らの事話題に出すくらいだから……こっちの努力次第では好きにさせる事も出来るよね?」
「えっ」
「気になるって事は関心は持たれてるって事だから」
「ポジティブおばけかっ」
「そうだよ。じゃなきゃずっとセンターもリーダーもやれてない」
やっぱりセンターに立つ奴は肝が据わってる。
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