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「おはよう、みんなー」
「玲央、大丈夫? クマやばくない?」
「あはは。台本読み始めたら止まらなくなっちゃって」
「また3時くらいまで起きてたの?」
「そ。好きだからね、お芝居するの」
翌朝、玲央はクマを作りながら起きてきた。
「今日は玲央だけスケジュール詰め詰めだったよね」
「うん。雑誌のインタビューにライブの打ち合わせにラジオ番組の収録、夜はみんなと音楽番組」
「移動の時とかちゃんと休みなね?」
「うん、ありがとう。ハルヒ」
睡眠3時間程度しかとってないのか、あいつ。
「はい、高校生組も早く支度支度! お弁当忘れないようにね」
「ありがとうございます、ハルヒさん」
「ありがとうございまぁす!」
「暫く玲央大変だからご飯当番は残りの5人で暫く回そうね。今日は俺が暇だから俺が担当」
「ハルヒさんの料理、俺好きっす」
「ありがとうね、海斗!」
ハルヒさんはみんなのお母さんって感じだなぁ。
「ハルヒ、いつもごめんね」
「何言ってるの、玲央! リーダーを支えるのがメンバーの仕事でしょ! 玲央のおかげでグループもこんなに大きくなったんだから!」
「いや、みんなで頑張ったからだよ。最初全然お客さん入らなかったもんね」
「そうそう! 玲央がドラマで人気になってから一気にファンが増えて!」
やっぱり玲央の功績は大きいのか。
7才だった美月すら沼に落としたからな、この男。
「あっ! 時間がやばい! そろそろ行くね」
「あ、玲央! 玲央にはおにぎり作ったから。おにぎりくらいなら合間に食べられるでしょ?」
「助かるよ。じゃあ、行ってきます」
ちょっとずつあいつの事分かってきたな。
俺があいつを超えるには相当な努力が要る。
超える事なんて出来るのか……?
「海斗ー? 時間やばいんじゃない?」
「あ、そうでしたっ」
「今日音楽番組初出演だもんね。緊張してる?」
はっ! そうだった!
「か、神城匠も出るんですよね?」
「そうそう! 事務所変わったけど元々先輩だから後で一緒に挨拶行こうね」
「あ、挨拶⁉︎」
「そ。大丈夫、優しくて話しやすい人だよ。昔は俺様アイドルって感じで怖かったけどね」
「あ、憧れの神城匠に……」
まさか俺が憧れのアーティストと同じ音楽番組に出る事になるなんて。
緊張で学校の授業には集中出来なかった。
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