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「はぁ、モモセが同じクラスで良かった」
学校が終わると、俺はモモセにノートを写させて貰う事に。
「もう! 海斗ってば今日ずっと上の空だったじゃん。海斗が答えられなくて俺が指された時かなり焦ったんだけどっ」
「ごめんごめん。あ、モモセは緊張しないの? 初の音楽番組だぞ?」
「僕生まれてから緊張した事ないしっ」
「メンタル鋼かよ」
「海斗はいちいち緊張しすぎだってば。この仕事新しい事ばかりやらされるんだからそんなんだともたないよ?」
うっ! ごもっともだ。
こないだドラマのゲスト出演だけで心折れかけてたし。
強くならないと勝てないよな、あいつに!
「おはようございます! 本日は宜しくお願いします」
だけど、夜になり音楽番組の収録前に神城匠の楽屋へ挨拶に行くと、俺の心臓はまたエラーを起こした。
「おぅ。よろしくな! 玲央、またドラマ出るんだってな? 楽しみにしてるよ」
「ありがとうございます! また匠さんと共演したいです」
「そうだな! 俺もまた一緒にやりたいよ。アーティストになってから暫く芝居してないから心配だけど」
ほ、ほ、本物の神城匠!
母ちゃんとライブ行って生で見た事はあるけど、こうやって会うとなると話は別だ。
やっぱりかっけー! オーラすげー!
「そっちの二人ははじめましてだよな?」
「はぁい! 新メンバーの白雪モモセです。よろしくお願いします!」
「あ、愛月海斗です。宜しくお願いします……」
ひぃぃ! 話しかけられた!
「ちなみに海斗も匠くんに憧れてまーす」
玲央、余計な事言いやがって!
「そうなんだ? 嬉しいな、こんな若い子にも応援して貰えて」
「ら、ライブも何度か行った事あって」
「そっか。じゃあはじめましてじゃないな。覚えてなくてごめんな」
「いえ! スタンド席でしたから!」
「今日でちゃんと覚えたよ。愛月海斗くん」
ほ、微笑まれた!
推し眩しいーっ!
「わぁ、海斗がフリーズしちゃった」
「龍馬様には絶対そんな顔しないじゃねぇかっ」
「玲央お兄さん寂しいよ……海斗」
俺もこんなかっけぇ男になりてぇ!
「本物……凄まじかった……」
「あははっ! 海斗まだ顔赤いよ?」
「これから本番だ。切り替えろ」
「す、すんません」
そうだ、神城匠の前でパフォーマンスするんだった!
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