第2話 天王寺玲央がスーパーアイドルでいられる理由ー海斗Side

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「海斗、大丈夫だよ。不安だったら玲央お兄さんがフォローするし」 「玲央、お前……疲れた顔してっぞ」 「えっ! コンシーラーでも隠せてない⁉︎」 「隠れてはいるけど分かる。いつも程俺に絡んでこないし」 「もしかして寂しかった⁉︎」 「はぁ? せいせいしてたけど!」 「大丈夫。明日たくさん構ってあげるっ」 「明日仕事少ないんだろっ! 休めって!」 「海斗が俺を労って⁉︎」 やっぱ面倒くさい奴 「ファンには疲れ隠せるんだろうな?」 「もちろん。何年アイドルしてると思ってるの? 見ててよ、海斗」 いざパフォーマンスになると、玲央は一切疲れを見せずいつものキラキラ王子様系アイドルをやりきった。 本当こいつ腹立つ……! 一緒にいればいるほど敵わないのを実感する。 俺はこいつを超えたくてアイドルになったはずなのに……。 な、な、なっ⁉︎ 観客席の最前列に美月がいた。 そうだ、俺は……美月に俺を見て欲しくてアイドルになったんだよ。 不純すぎる動機だけど。 何としてでも玲央を超えないと! 「初めての音楽番組はどうだったー? モモセ、海斗」 「とっても楽しかったですぅ! また出たいなぁ!」 「神城匠さん最高でした!」 「かーいと! 自分よりそっちかい!」 「神城匠さんみたいなかっけぇ男になりたいって思いました! やっぱり俺が一番未熟である事は変わらないのでっ」 俺の努力はまだまだ全然足りていない。 もっと魅せられるパフォーマンスをしないと! 「でも、海斗はちょっとずつ成長してるよ? 歌も音程ばっちりとれてるし」 「ダンスも前よりキレがずっと良くなった」 「ありがとうございます。ハルヒさん、タダシさん」 「ま、龍馬様が一番輝いてたけどなっ」 「えー? どう考えても玲央でしょ! ね、タダシ」 「うむ」 「いやいやモモセですぅ!」 ちょっとずつ……か。
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