第1話 俺が超えるべき存在はアイドルー海斗Side

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「玲央ー、荷物の整理は終わった?」 「はい、終わりました」 「じゃあ、おいで。モモセと玲央にまとめて寮の設備案内するからっ」 ハルヒさんに呼ばれると、俺は安堵する。 ハルヒさんと同じ部屋が良かったなぁ。 なんか話しやすそうな人だし。 「まずはキッチンね。朝ご飯と夜ご飯は当番制で作ってるよ! 昼は各自って感じかな! モモセと海斗にも今度当番して貰おうかなって」 「僕お料理自信ないんですけどぉ」 「大丈夫、大丈夫。うちには壊滅的に料理出来ないけど当番やってるメンバーもいるし!」 キッチンの冷蔵庫には当番表が貼られていた。 冷蔵庫でかいし、カウンターキッチンだし、置かれた調理器具も最新のものばかりだ。 「海斗は? 料理出来る?」 「うち共働きだったんでわりとやってました」 「じゃあ安心だね! 得意料理は?」 「パエリアとか?」 「オシャレか!」 「海斗の作ったパエリアが食べたいな。当番制早めようか?」 玲央は唐突にハルヒさんに提案する。 「玲央、昨日新メンバーは最初馴染むのに大変だろうから料理当番は三ヶ月目からって話したじゃんっ」 「うぐっ。そうだったね……」 「別に良いっすけど。料理当番早めて貰っても」 「えっ? 玲央に気使わなくて良いよ? 海斗」 「甘やかされる方が嫌なんで、俺」 新人だからとか若いからとかそういう風に扱われるのは嫌だった。 「うん、分かった。じゃあ、海斗は当番早めようか」 「あ、僕も早めて大丈夫です」 「えっ? モモセも?」 「はい! 白雪モモセ、お料理も頑張れます!」 「分かった。じゃあ、来週からお願いね」 しかし、6人分の料理を作るのは初めてだからな。 頑張らないと! 「ここが大浴場ね。お風呂も代わりばんこだから一人15分まで」 「はい」 「あ、年功序列とかじゃなくて譲り合ってって感じかな」 「あ、海斗! まとめて入った方が効率良いから俺と……」 「絶対嫌だけど?」 「何で⁉︎」 いや、こわいし。
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