第1話 俺が超えるべき存在はアイドルー海斗Side

7/15
前へ
/46ページ
次へ
「れーお。セクハラ禁止」 「裸の付き合いって大事だよ」 「玲央、うちの大浴場は銭湯じゃないんだから」 「玲央さんとだけは絶対入りたくないです」 「あ、ハルヒお兄さんは良いんだね! 海斗!」 「まだマシってだけです」 「まだマシ⁉︎」 風呂は一人でゆっくり入るもんだろ。 「そしてそしてここがリビングー! みんななんだかんだで部屋よりここにいるよねー!」 「ソファーは寝心地が良い……」 「あ、タダシがソファーで寝てる!」 リビング、うちのリビングよりひっろいな。 設備はすごくすごく良いのに……俺に熱視線を送ってくる天王寺玲央だけが無理! 「さーてと、案内も終わったからみんな集合ー!」 ハルヒさんの呼びかけで全員集まってきた。 「早速だけど、二人のダンス見てみたいかな!」 「えっ? 俺らのっすか?」 「それぞれ一人ずつ自信あるダンスを見せて欲しいんだ。tokkotokkoに掲載もするしっ」 あの動画配信アプリ⁉︎ 「僕自名義のアカウントで上げてた曲でも良いですかぁ? アカウントは削除済みですし」 「うん、それでも良いよ。モモセのアカウントフォローしてくれてた人達は喜ぶだろうからねー! じゃあ、モモセからお願い!」 「はーい!」 モモセから踊り始めた。 動画撮影担当はハルヒさんだ。 えっ、俺動画配信とかやった事ない! なんならクラスの奴らが動画UPして遊んでるの見て鼻で笑ってた側だ! それに、モモセは配信者だっただけあって自分の見せ方をよく分かってる感じだった。 踊っているのも高難度と呼ばれる洋楽だし。 「はい、撮影終わりっ! モモセやっぱり上手いね、ダンス」 「小さな頃からやってましたからぁ! いやぁ、先輩方に比べたらまだまだですよぉ」 「いやいや、俺こんなの踊れないよ! 踊れるとしたら玲央かタダシじゃね?」 「おい、ハルヒ! 龍馬様を忘れるなっ」 「龍馬、よくダンスの振り間違えるじゃん」 「お前もだろうがっ」 俺とんでもないグループに入ろうとしてる? 先輩達は小中学生の頃からずっと芸能界にいたし、モモセもダンス経験者だ。 俺はただMonopolize‼︎の曲の振りをいくつか完コピしてるだけだ。 ダンススキルがあるかと言われたら微妙だ。
/46ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加