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二宮は堂島の焦っているような複雑な表情を見て、クスッと笑った。
「ま、もうその女の顔なんか覚えてねぇんだけどさ。……俺が今まで付き合ってきた相手は全員向こうから言いよってきたからかな、正直なところ、相手に特別な愛情を持ったことは一度もなかった。男は愛情なんかなくてもヤれるだろ? 俺だけじゃなくて、全員がそういうモンだと思ってた」
「俺も男なんで気持ちは分からなくもねーですが、なかなか最低っスね」
そうは言うものの、堂島は自分もどちらかといえば二宮と似たような適当な付き合い方をしていたので、最低だのと言う権利は本当はない。
しかし、なんとなく二宮がそう言われたがっていると感じたからそう言ったまでだ。
「はは、うん、否定しねえ。だから俺はずっと、ツレが同じ彼女と何年も続くのが不思議でたまらなかったんだよな。派手なケンカもするし延々と愚痴も言うけど全然別れる気はなくて、何で相手のことをそんなに大事に思えるのか、俺には分からなかった」
「……」
堂島は黙ったまま、壁の方を向いて話す二宮の横顔を見上げた。
顎の下に小さなホクロがあるのは、本人は知っているのだろうか。
「──でもおまえと付き合いだして、ようやく分かったんだよ」
堂島はぽかんとした顔で二宮を見つめていた。すると壁の方を向いていた二宮が急にこっちを向いたので、不意に目が合った。
「はは、なんだよその顔。口開いてンぞ」
(……二宮先輩、笑ってる)
暗い過去を話していたはずの二宮が笑っているのを見て、堂島は内心ほっとしていた。
「おい、聞いてんのか? 俺はお前が初めて大事にしたい相手だって認識したっていうすげーこっ恥ずかしいこと言ってんだぞ。なんか反応しろよ」
二宮は煙草を消してサイドテーブルに置くと、少し拗ねたような顔をしながら堂島の身体の上に乗り上げてきた。
「え!? あ、う、嬉しい……ッスよ? でも、それは俺が男だからじゃないですか?」
トラウマとなったその女性の面影を、男の自分ならば一切思い出さないから。
「それもあるかもしれないけど、それだけが理由じゃねぇよ。――信じられないかもしれねーが、俺は今まで性欲は薄い方だと思ってたんだ。だけどお前を相手にしてたら一晩に三回ヤッても足りない。……お前が、可愛すぎるからだよ」
「え、ちょ、まだヤる気っすか!?」
二宮はこんなにヤる気満々の体勢だというのに堂島は今気付いた。可愛すぎるとかなんとか聞こえた気がするが、恥ずかしすぎて耳が受け付けなかったらしい。
「当たり前、だって今夜はまだ二回しかシてねぇだろ」
「じ、じゅうぶんでわ?」
「だから足りねーって。……俺が抱き潰したくなるのは、お前だけなんだよ」
二宮は、赤くなった堂島の首筋にチュ、とキスを落とした。
そのままレローッと筋に沿ってに舐めながら、復活した自身を堂島のモノにわざと擦り付ける。
「ぅあっ……ちょ、二宮先輩、マジですんの?」
「マジに決まってんだろうが。ほら、素直に脚開けよ……お前のココまだグチャグチャだから、ローションなしでもいけんな」
「ぁッ!? あぁ……っっ!」
ズプッ、ズププププ……
既に二度受け入れて柔らかくなっていた後ろは、前戯も無しで二宮の巨根を奥までズップリと難なく受け入れた。
「あっ、せ、先輩、いま、ナマで挿れた……!?」
「悪い、ゴム着ける余裕なかった。……後始末は全部俺がするから、今度は直接お前のナカでブチ撒けさせてくれ……ッ」
「っあぁ! あ、ああーッ……!!」
話している最中から腰を掴まれ、激しく揺さぶられて、もう文句は言えない。
――喘ぎ声しか、出ない。
*
「クッ、締め付けやべぇッ! すぐイキそうだ……!」
「ひあっ! あっ! せんぱ、きもちいぃ……っ、あ、もっと奥突いて! あ、激しいの好き……!」
堂島は自らも淫らに腰を揺らして、二宮に懇願する。気持ちよすぎて、下半身も頭の中もグチャグチャだ。
「てめぇ嫌がってたのはフリかよ、このクソ淫乱……っ!! 種付けすんぞ、精一杯オネダリしろよッ! オラッ」
二宮は今夜はウイスキーを飲んでいないのに、乱暴に扱うと堂島が悦んでナカの締め付けが強くなるので、自然と荒っぽい言葉遣いをしてしまう。
──優しくしたいのに、こっちが自分の本性ではないかと錯覚してしまう。
「あぁっ! 淫乱でごめんなさい……っ! だって欲しがるの恥ずかし、からぁっ! でも欲しい、せんぱいのチンポ、もっと奥にたくさん欲しい……っ」
「だから、あんま可愛いこと言うなっつってんだろ……!」
「あっあっ! 二宮先輩ぃ、もぉイクッ! ああっ! 出して、せんぱいも俺のナカでイッて……! 種付けして……っ!」
「ッ!! クソが……ッ!!」
両脚で腰を抑えつけられ、甘くオネダリする言葉に思わずイキそうになる。
強すぎる刺激に耐えようとすると、ますます荒っぽい言葉が出てしまう。
優しくしたいけど、言葉も腰も一向に止まらない。
──しょうがないので、キスをした。
「ンッ……!? チュッ、せんぱ……」
「チュッ、チュウゥ、ジュルッ……」
──堂島曰く、自分はいつもキスだけは優しいらしいから。
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