忘れもの

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オレはあの朝、通勤途中に事故にあったのだ。救急車で運ばれる途中、薄れゆく意識の中で後悔していた。 ハグとキスをしなかった事を。そして「ごめん。」と謝れなかった事を。 ──「じゃあ、そろそろ戻るぞ。」 爺さんが言った。 「あっ、ちょっとだけ待ってください。」 オレは眠っている妻のところへ戻りそっとハグとキスをして言った。 「ごめんよ。 それから・・・ 行ってきます。」 ─END─
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