忘れものを見つけた。コインロッカーの中で。

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 私はもう一枚の手紙に視線を落とす。  「しあわせだった」  改めて見ると、未来の私がどれほど弱っているのかがよくわかる。  でも、こんな状態になってまで、私に伝えたいことがあったのだというのもよく分かった。  しかし、未来の私自身が言っていた「人生で一番大切な出来事」とはどのことだろう。  コインロッカーの中で封筒を見つけなければ、それは起こり得なかったのだろうか。私にはよく分からなかった。  ただ、こんなに弱っていても「しあわせだった」と言える人生はどんなものなのだろうか。  私はそれが少しだけ気になった。    辛いことばかりだけど、もう少し頑張ってみようかな。  それに、未来から手紙がやって来るなんて、こんな不思議なことはない。そう思い、私はペンを手に取った。  この一連のコインロッカーにまつわる出来事をどこから書き始めようか。
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