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あの手紙に書いてあったように、確かに私は死のうとしていた。生きていても仕方のないことばかりだ。
私の父親は私が小学生の頃に蒸発し、それ以来、母は狂ってしまった。特に酷かったのは男遊びだ。
私が学校から帰ってくると、家には頻繁に見知らぬ男がいた。母に会うたび、連れてくる男は別人で、そいつらの中には私に手をあげるものもいた。
未だに大腿部を蹴られた時のあざは消えない。
家の中に私の居場所はなかった。聞こえてくる嬌声にも飽き飽きして、私は荷物を持って家を出た。
そんなことで、今もネットカフェで暮らしていて、お金はアルバイトをしながらやりくりしている。節約するために野宿することもあるが、どちらにしても家にいるよりは幾分も過ごしやすい。コインロッカーはネットカフェに持って行くには邪魔な荷物を入れるのに利用している。
そんな生活の中であの手紙を見つけた。
見知らぬ人間が垂れた講釈に怒りを覚えたというのもあるが、まるで、私宛に書かれているように感じて気味が悪かった。
あの日から別のロッカーを使用するようにしていたが、何となく気になって、私は「3150」番のロッカーの中を覗くことにした。
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