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ーAー
「まったく。毎回いきなり来ないでよね。しかも撮影は途中だし」
また文句が口をつく。いちいち迎えに来なくていいのに。そんなに周りに見せつけたいのかしら。
「いや、ごめんごめん。うちの可愛いプリンセスが誰かに嫌な目に遭わされていないかと思ってね。行ってみたら思った通り。スタッフたちが君の噂話さ。僕の作品では絶対に起用しないようにしよう。」
「別になんでもいいわよ、そんなこと。仕事に支障が出る方が大変でしょ。」
「おや、僕の心配かい?これは嬉しいな」
彼はまだブツブツと私の機嫌を取ろうと話し続けている。もはやため息しか出ない。世間に知られているから付き合っているだけであって元々この人に愛なんてない。勘違いしないでよね。
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