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ーBー
「懐かしいね。まーちゃんに、いや、真木子さんによく似ている。あれ以来会ってないんだよね。」
僕は頷く。この人はまーちゃん、いや、母さんについて何か知っているはずだ。
「君のお母さんはとても優秀なカメラマンだった。彼女は旅行好きだったけど仕事も丁寧でね。みんなの憧れだったんだ。しかも明るいし。若いカメラマンはみんな彼女を慕っていたよ」
「監督、昔の話は大丈夫です。僕は母に何があったか知りたいのです。十年前のあの日、なぜ急に家を出ていってしまったのか。監督はご存知ですよね。どうして母は家を出てしまったのですか?なぜ急に…」
「優作くん、それは君が思い出すしかない。君はその答えを知っているはずだ。僕にはその手助けをすることしかできない。ここで働いてその記憶を取り戻せばいい」
「でも僕には…」
「明日から来られるかい?」
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