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情交の後のまどろみの中、俺は時雨さんの温かい胸にぎゅっと抱き着いた。時雨さんが腕枕してくれている腕で肩を抱いてくれる。
「春?」
「お菓子、貰ってきてもいいけど、俺だけを見ててね? 時雨さん」
その言葉に時雨さんがフッと笑った。
俺の髪をサラサラと梳くように撫でる。
「僕は春しか見てないつもりだけど?」
「つもりじゃだめです!」
頬を膨らませると、時雨さんがクスクス笑った。
「春しか見てないよ?」
「俺も時雨さんしか見てませんよ?」
俺は時雨さんの胸の突起を指でぐるぐる弄った。
時雨さんがそれを面白そうに見つめている。
「春、もしかして、もう一回したい?」
時雨さんが俺の額にそっと口付ける。
「うん……もう一回」
「いつも春に無理させちゃうから一回で我慢してるけど、そんなこと言われたら僕、際限なく求めちゃうよ? 身体はまだまだ若いつもりだから」
その言葉に俺の顔が真っ赤に染まる。
自分で煽ったくせに、やっぱり時雨さんには適わない。
「何度でもして? 時雨さん」
時雨さんが俺のこと治してくれたんだよ。
救ってくれたんだよ。
ねぇ、時雨さん、俺、今すごく幸せだよ。
- END -
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