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17話目
「16話目、ありがとうございます。突然内容を変更してすみませんでした。やっぱりプロですよね。期待以上の完成度です。読んでいるだけで大村さんに対する怒りが湧き上がってきましたよ」
「ありがとうございます」
「前回は生意気なことを言ってしまい、本当に申し訳なく思っています」
「全然気にしていないですよ。はっきり言ってくれたほうが助かります」
「それでは17話目に入りますけど、大村さんを殺したのはロイ先生という展開にしたいのですが、いいですか?」
「ええ……別に構いませんけど」
「絶対に断られると思っていました」
「いいですよ」
「嬉しいです、本当に。17話は先生がブチギレて大村さんを殴るところから始まります。脈拍を調べると既に死んでいて、先生は僕に相談するんです。僕は家の風呂場を先生に貸して、そこで大村さんの遺体は解体されます。そしてビニールに入れて冷凍します」
「いいですね」
「すると突然、刑事がやってきて、ロイ先生は容疑者になってしまうんです」
「日本の警察は優秀ですね」
「僕の家のドアノブや冷凍庫のドア、遺体を包んだビニール袋からは、ロイ先生の指紋が出てくるため言い逃れはできません」
「……はい」私の顔からは笑み徐々に消えていった。
「そこで17話は終了です。それではお願いしますね」
賢也は私に喋らせずに電話を切った。
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