プロローグ

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「うわぁ……なんか岩がゴツゴツしてるよ。足元が危ない」 「やから遊びに行くんちゃうで言うたやんか! ほら、ここからは私の肩に乗って」 ヘルメットかぶって懐中電灯持って。 洞窟の中は暗いから、照らしながらやないと進まれへん。 なんせ、ランタンすら付けられてへん真っ暗な洞窟やから。 ヘルメットもライト機能はあるけど、落石でも襲ってきて壊れたら心もとないからな。 「……あれ、あんなの今まであったっけ?」 進んでく途中、ワイマが何か見付けたらしいから私も「どれどれ」と見てみる。 見たところ、大きな宝石って感じ? 拓けた所の奥で岩の上にデンッと乗っかってる。 「あー……これはただのガラクタやな。ほら」 ガッと蹴りを入れてみたら脆く崩れてしもた。本物やったら一発蹴られたくらいで崩れたりせぇへん。 せやけど、なんでやろな。 ワイマも見た事ないっぽいし私もないのに、急に現れる事なんてあるんかな? まぁ、どっちにせよ気にせんでえぇ事や。 と、この時は思ってた。
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