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プロローグ
「ハァッ……ハァッ……」
腐敗しきった荒野で騎士が戦っている。
愛する姫を守るために、一人で必死に複数の相手をしている。
その後ろにいる姫。
彼女はハラハラとした目付きで彼の戦闘姿を見守っていた。
街は敵によって荒らされ、王国もほとんど原型を留めないほどに破壊され、森や川と言った自然は見るも無惨な状態になり、人々の命も大量に失われた。
そんな状況の中、騎士はなんとか複数の敵を倒し、姫の前に跪く。
「……姫、俺は貴女を一生かけてお守りするためにここまで強くなりました。どうか、俺と結婚して下さい」
「リオン…………ダメ……ダメなのよ……」
「ど、どうしてですか!? くっ、これは!?」
リオンは涙ながらに訴えられた言葉に理解が追い付かない。
姫が彼にある魔法を放つと、リオンはパキパキと結晶に閉じ込められてしまった。
「リオン、貴方だけでもどうか生き延びて……!」
「そんな、なりません! 姫っ! ……姫ーーーーーっ!!」
そこで、二人の会話は途切れた……
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