一章 入学式

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「んんっ?ニンゲン?ナニソレオイシイノ?」 「え、」 「そんな種族なんかいねぇぞっと。お前ら女子はな、天照大神の(子孫)だぞ」 「あ、天照大神、オオカミ、狼?」 「フハッ、狼って。おかしー。大神だぞ、神だ」 か、神?カミ、さま? え、 「ええ〜っ!?ウソ、あの神話の本とかに出てくる、あっ、あああああま、天照大神!?」 「うん?神話の本とかって言ってるけど、実際にいたぞ。確か1000年前」 「せっ、1000も前に!?じゃっ、じゃあ私たちの中に・・・その、天照大神の生まれ変わりがいるってこと?」 「そーゆーこと」 なるほど。つまりまとめると、男子は魔族、女子は神の子、というわけ。 って、なにがなるほどだよ。 「そして1000年後の今年、その天照大神の生まれ変わりがいるんだ」 「1000年・・・・・・。っつ・・・!!」 白崎くんの言葉を聞いた途端、私の頭に頭痛が過ぎった。 「おい・・・!!大丈夫かよ、紫苑!!」 私を呼ぶ白崎くんの声が頭に入ってこない。1000年・・・。1000年・・・・・・。 ―――『我は、1000年の刻をこえ、この身を以て生まれ変わることを、此処にあらわすっ!!』 誰――、この声の主は一体、誰なの――? わからない。分からない。理解らない。
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