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何がいけないんだよ、と目で訴えれば、紫苑は、
「だって、リボンをほどく必要があるの!?」
と、言った。
「いや、こうでもしねえと首元の紋様がよくみえないからさ」
「だからって・・・」
プチッ、プチンッ、と、俺は次第に紫苑の制服の第一、第二ボタンをはずしていった。
「ちょっ・・・!」
「黙れ、小娘がっ!!」
「・・・っつ!わかりました・・・」
「んっ・・・」
ごめん、許せ。今は我慢していてくれ。
俺の手が触れるたび、紫苑は肩をピクッと震わせていた。
「くっ、擽ったい、よ・・・」
擽ったいって、そんなに肩をピクピクさせながら言うのは、不意打ちだろうが。やっぱり、この女はいじりがいがあるな。
「ふむ。この紋様、やはり遠い昔、どこかでみた記憶があるな」
ズキィッ!
突如おとずれた胸の痛みが、ズキズキと響いて来た。なんだ?
「お前、こういうことは過去にもあったのか?」
「えっ、えと、10回はあった、かな・・・。」
「なに?その時々はどうやって対処していたんだ?」
「・・・いつも寝込んでいた。解熱剤の薬を飲んでいたけど、まったく効果が得られなかった。3週間は休んでいたから」
「・・・おかしいとは思わなかったのか?」
胸を手で強く抑えながら、俺は問うた。
「思っては、いた・・・。でも唯の高熱かなにかなんじゃないかって、疑問はあった」
「そうか・・・よ」
まずい!足元がふらついた!!
「―――!!」
倒れるっ・・・!
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