二章 「紫苑」の秘密 壱

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何がいけないんだよ、と目で訴えれば、紫苑は、 「だって、リボンをほどく必要があるの!?」 と、言った。 「いや、こうでもしねえと首元の紋様がよくみえないからさ」 「だからって・・・」 プチッ、プチンッ、と、俺は次第に紫苑の制服の第一、第二ボタンをはずしていった。 「ちょっ・・・!」 「黙れ、小娘がっ!!」 「・・・っつ!わかりました・・・」 「んっ・・・」 ごめん、許せ。今は我慢していてくれ。 俺の手が触れるたび、紫苑は肩をピクッと震わせていた。 「くっ、擽ったい、よ・・・」 擽ったいって、そんなに肩をピクピクさせながら言うのは、不意打ちだろうが。やっぱり、この女はいじりがいがあるな。 「ふむ。この紋様、やはり遠い昔、どこかでみた記憶があるな」 ズキィッ! 突如おとずれた胸の痛みが、ズキズキと響いて来た。なんだ? 「お前、は過去にもあったのか?」 「えっ、えと、10回はあった、かな・・・。」 「なに?その時々はどうやって対処していたんだ?」 「・・・いつも寝込んでいた。解熱剤の薬を飲んでいたけど、まったく効果が得られなかった。3週間は休んでいたから」 「・・・おかしいとは思わなかったのか?」 胸を手で強く抑えながら、俺は問うた。 「思っては、いた・・・。でも唯の高熱かなにかなんじゃないかって、疑問はあった」 「そうか・・・よ」 まずい!足元がふらついた!! 「―――!!」 倒れるっ・・・!
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