三章 天照大神の真実

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「此処」 紫苑は暫く黙りこくった後、口を開けた。 「・・・は?」 口から発せられた単語がそれか。酷いなー。 「だーかーらー、此処。日本だってば」 「・・・」 また黙り込む。余程信じられないのかよ。 「うっそだぁ、そんな訳無いじゃん。こんな経済都市が発展して、溢れ返っている日本が」 「本当だ。嘘でも何でも無い」 3秒後、紫苑が固まった。 「・・・・・・・・・ふぇっ?」 どこか拍子抜けた顔をしている。可愛い。 「まあ、遠い昔だからって保証できる訳では無い。唯、これだけは言える。日本は、昔『倭国』と呼ばれていた。だがしかし、倭国という国名もまた、もっと昔は違っていた―」 「な、なんていう国名なの?」 「それはな――、っつ!!」 「白崎くんっ!?」 突然胸の痛みが増した。おさまったのでは無いのか?いいや違う。酷くなっている。もの凄く。 「う、ゴファっ!ゴホッゴホッ!」 「・・・!血が」 「う・・・ぐっ」 「きゅっ、救急車呼ぶから・・・、」 紫苑が俺の背中から降りてスマホをポケットから取り出した。が、俺の手は言うことを利かなかった。ガシリッと彼女のスマホを掴み取り、そのまま体を抱き寄せた。 「・・・。」 「・・・ふぁ、む・・・・・・んっ!」 俺らはまたしてもキスをした。紫苑の口の中に血が混じってしまったが、俺の痛みを抑えれるのなら―、これが妥当だと俺は感じる。
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