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「・・・・・・っ!」
光線レーザーが先生の脚を掠った。一瞬、苦痛な表情が見られたが、直ぐに態勢を直した。
「君の今の攻撃は、確か『白黒光線』だったか。確か君の魔法の中でも最も最強と云われている、“幻の魔法”なんだよねぇ」
「だからどーした。御地毛付いたのか?はんっ!舐めてんじゃねーよ!!」
「フーム。少々君の『Reコール』業が凄すぎて、驚いちゃっただけ。だからぁ」
一瞬の間の後、先生の表情が変わっていた。
「傲れた訳では無いからねぇぇぇっ!クククッ、この子に傷一つ付けたら君はいったい、どうなるのやら」
先生はそう言うと、私の腕を拘束して、手首に鎖を掛けた。
「今から俺は大事な大事なイベントタイムをするからね、君は邪魔をしないで居てくれるかな?」
「貴様、紫苑に何をするつもりだっ」
白崎くんの声が変わっていた。怒り狂った怒声だった。
先生の手が私の頬からスーッと顎まで撫でて、そして髪を一掬い攝るとスンスンッと匂いを嗅いだ。
「やっ、めてっ。やめてっ・・・!」
先生の手が、顔が、表情が、全部が悪魔に取り憑かれているみたいだった。
「こんなろっ。コール!光線!!」
彼の掌からさっきとは威力が違うレーザーが伸びてきた。これは普通の業・・・かな?
先生はそれを見事に躱した。光線は止まらずに壁に当たって弾けた。
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