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「う・・・ぐっ・・・・・・!!」
先生の武器の一種であろう如くの極細の紐のお陰で、自分の体が不自由になってしまったのだ。腕は後ろに拘束されたままで、身動きが摂れない。
ギリギリッ・・・ギチィ・・・・・・ッ!!
極細の紐が首に、胸に、股に、そしてお尻に食い込んでいて、痛っ・・・い・・・・・・!
「ほな、其処の姫様は大人しく俺に繋がれていればいいんだよ!!」
極細の紐は更に食い込む。
「・・・・・・っ!!私をっ、こんな風にしてっ、何が目的なのっ?」
先生は暫し黙りこくっていたが、軈て口を開いた。
「はぁーーー。君はまさか気が付いて居ないのかなあ?」
「気が付いて居ないって、どういう事?」
「はぁーーー」
先生はもう一度溜め息を吐いた。
「じゃあ一つ、その首元に光っている紋様は何かな?、と訊いたら?」
「っつ・・・」
「加えてもう一つ。君は今日一日、頭が痛かった時が在った、としたら?」
うそ―。この先生、なんで紋様の事も、頭が痛かった事も知っているの――?なんで、この男は。
私の事を識り尽くしているの?
「そこまで答え合わせが出来たなら、もう良いよね?――☐☐☐☐様。」
先生がそう言うと、今まで私たちの話を聴いていた白崎くんが体を動かさないまま、急に眼を強張らせてこっちを見据えた。
そして、彼の口は動いていた。何を言っているのかは解らないけど、何かを驚愕するような、又は誰かを引き止めるような、そんな哀しい表情が視えた―。
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