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「ほん。貴女様は今こう想っているでしょう。貴女自身がもし覚醒したなら、貴女自身の記憶はどうなるか。また今後の人との関わり合い―、まあ関係性が変わっていくのではないか、と」
「あっ、・・・」
私の考えている事冴えも、理解るんだ―。
「安心して下さい、天照大神様。この我、『須佐之男命』が巧く凌いでみせますから」
須佐之男命って、どこかで――あっ。
「白崎くんの話していた『須佐之男命』・・・?」
もしかして。
「もしかして、貴方が須佐之男命なんですか?」
「如何にも」
こうは言っているけど、なかなか信じ難い。この人の企みは一切分からないままだし。
グワンッ!!
動きが止まった。ということは、もう着いてしまったのだろう。
「着きました。此処が『天神の部屋』です、天照大神様」
此処って――、
「何もないじゃない」
目の前は何もなく、地面の大地が見えていたままだった。
すると先生が舌を鳴らして違うとばかりにジェスチャーを取った。
「チッチッチ、ノンノンノン」
何か腹が立つ。
「何よ、馬鹿にして」
「馬鹿にして?ははっ、天照大神様、それは違います。私は至って尊敬しておりますよ?」
「その態度のどこが?」
どう考えても本物に見えない、偽物だ。
「ささっ、早く行きましょう。遅刻してしまいますよ」
連れられて入ると、其処は黒かった。何もかも黒で形地が判らない。更に謂えば、其処は薄気味悪かった。
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