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私だって、健全で立派な女子高校生だ。なのに――、
「おい何モタモタしてやがる、早くしろよ。―あれっ、もしかして何でもするって、そっちが言ったから命令してるんだけど、今更そういうの無しは辞めろよな。舐めてんのとおんなじだぞ?」
「・・・・・・っ、それ、は」
「それは、何?」
こわい。恐い。怖い。繋げれば『恐怖』に成るように、この男が恐怖に満ちていた。
「一つ、言い忘れてた」
「・・・・・・。」
言い忘れていた・・・、何を?
「俺の本当の正体」
まさか―。
「俺は吸血鬼のドキラだ」
吸血鬼って謂うことは、この人は元々聖騎士教会その人では無かった、ということに成るはず・・・・・・否、そう捉えていいという意味が適切だろうか。
しかしこの世界には吸血鬼が居たとは。私とて、この世界は天族と魔族だけが存在していると思った。
「御察しの通り、この世界には天族と魔族が実権を握っていますが、この2種属以外にも沢山の種族が居ます」
私たち天族と白崎くんたち魔族らが他の種族よりも上の存在、か・・・。私としては、皆仲良くしていけば良いなと想ったけど・・・・・・、
他人の考えを識っている上での発言が隣から降って来た。
「その考えが全て上手くいくと御想いで?」
やはりこの人は私の考えに賛同しないようだ。諦めるしか方法は他にない――、
「良いでしょう。お承けします、その依頼」
依頼・・・で言った覚えは無い、はず。
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