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「よっ。さっきぶりだな」
私の背筋が凍った。終わった。この人は完全に覚えているんだ。
「?
なんかつれねぇ顔してんな。だいじょーぶかお前」
「あっ、あはは・・・だいじょーぶ、だいじょーぶ。ナンデモナイヨ」
「カタコトになってんぞ。全然大丈夫じゃねぇだろそれ」
「だいじょーぶったら、だいじょーぶってば」
「フッ、そうかよ。まっ、精々余計な真似なんかしないようにな」
私は彼の言葉の意味がよく分からずしばらくボーッとしていた。
先生の話している内容すら頭に入ってこなかった。まぁ分かったこととすれば、さっきからコソコソ話している人たちや、視線を痛くする人たちの表情だ。皆、恐怖に怯えた小動物のようだ。中には、嫉妬、怒りの人もいたが気にしないようにした。
チラッと隣の席を見ると、フードヤンキーくんがスマホをいじっていた。先生の話など聞く必要がないんだ。
私は声をかけようとしたが、止めた。理由は、彼の指だ。一本一本爪が尖っていて、声をかけたら殺されそうだったから。
あと、スマホの画面には○ーバーイーツだったから。なに堂々と学校で頼んでんの。てか先生も気付いて。
「あ?なんだ、こっち見て」
あっ、まずい。気付かれた。もうこうなったら注意するか。
「○ーバーイーツ頼みたいなら數めて休み時間にやって。今、授業中だから」
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