一章 入学式

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「んぁ、お前も頼みたいのかこれ?」 いや別にパフェが食べたいとは思っていないから。考えて。 「いやさ、だから○ーバーイーツ頼むなら、休み時間にしてって言ってるの。分かった?フードヤンキーくん」 これで懲りたか。 「フードヤンキー?それ俺?ハッ。俺にはちゃんと名前があるんだよ。白崎牙王だ」 いやなんで今自己紹介するの?しかも名前めっず。 「私は、自己紹介をしろって言ったんじゃなくて、今はやるなって言ったの。分かった?」 「へーへー、分かったよ。やめますやめます」 そう言って、彼はスマホを切ってポケットにしまいこんだ。 あれ、反抗するのかと思ってたけど、素直になったな。変なの。 「おい、一ノ瀬、白崎聞いてんのか?前向け」 先生に注意されてしまった。はぁ。 ドンドンドンッ。 教室のドアを叩く音が聞こえた。誰だろう。 「失礼しまーす。○ーバーイーツですー。ご注文の品を届けに来ました」 しまった。○ーバーイーツ来ちゃったよ。もうどうすんのこれ。 と思っていたら、急にフードヤンキーくんもとい白崎くんが、席を立った。皆もびっくり仰天中なのに。 「はい、ここにサインを書いてもらっても宜しいでしょうか」 「あぁ、サ・イ・ン・・・っと。ほい」 「あーしゃさーっす」 なんで受け取るの。なんで書くの。そして何故、○ーバーイーツの人は挨拶が適当なんだろうか。
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