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「もう、どうしてくれるのよ」
必死に画面を覗き込んでいると、少し笑い声がした。
「ホテルの受付のおーねさんじゃん、へー、こういうのが好きなんだ」
「え?」
後ろから画面を覗き込まれ、私は一気に背中に冷たい汗が零れ落ちる。
ゆっくりと振り返ればそこには、今日チェックインした彼がいた。
「どうして……」
無意識に零れ落ちたその言葉に、にこっと彼は笑った。
「追い出されたんだよね」
悪びれることなく、ニコリと笑ったその人に唖然としてしまう。
「まあ、よくあるからいいんだけど」
クスっと笑いながら立ち上がった彼に、恥ずかしさや目の前にSHINがいるような錯覚に陥るし、何がなんだかわからない。
パニックになっている私をよそに、彼は着ていたブラックのシャツの胸元を少し寒そうに閉めると「じゃあね」と私の横を通り過ぎようとした。
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