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しかし、その瞬間、うめき声とともに足を付いた。
「ねえ、大丈夫? どうしたの?」
「なんでもない。早く消えろ」
「は?」
今までのかわいいその顔からでたとは思えない、その言い方にムッとしてしまう。
SHINはいつも可愛くて、決して消えろなんて言葉は使わない。
自分でもめちゃくちゃな理屈なのは分かっているが、なにやらイライラとしてきてしまう。
「ちょっと、どこか痛いの?」
そう言いながら彼の全身に目を向けると、手の甲に赤い筋が見える。
「ちょっと、これどこから……」
明らかに血液だとわかるそれに、私は瞬間的に彼が抑えていたシャツをめくる。
半袖の真っ白のシャツは腕のところが赤く染まっていて、そこから血が流れているのは明白だった。
「病院!? 救急車?」
ガチャを引こうとしていたスマホを慌てて捜査していると、その手を彼の反対の手が抑える。
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