まじめなカノジョの拾い物

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※※※※※ (また来てる……) 内心そう思いながら、私は笑顔を張り付ける。 「ようこそお越しいただきました。チェックインですか?」 「おねがいします」 ニコッと笑ったその美麗すぎる表情に、不覚にも内心ドキッとしてしまう。明るいブラウンの髪に、ぱっちりとした二重の目。 柔らかな笑顔の彼に記帳をお願いする。 「君が書いて」 少し甘えた声音の男性に促され、隣にいたサングラスをかけた長い髪の女性が何も言わずに名前を書いていく。 これもいつも通りの光景。 そこそこ名前のしれた全国展開をしているクリステルロイホテルTOKYO。観光にも使われるし、結婚式も行えるホテルだ。 そこでメインはコンシェルジュをしつつ、フロント業務もこなしている。 だからいろいろな人がくるのはもちろんだ。それにお客様のことを詮索するなど、プロのホテルマンとしてあるまじき行為だということはわかっている。 それに芸能関係者だって、今流行りのユーチューバー、だって泊まりにくることだってあるのだから、べつに何も問題はない。
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