まじめなカノジョの拾い物

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その後、二十時までの勤務を終え着替えると、従業員入り口から外へ出た。 昼間の結婚にも恋愛にも興味がない、それは少し間違っている。 昔、少し派手な時代を過ごしていた私だが、根っから真面目な性格は本当で、友達の男の子たちと仲良くなり、付き合ったこともあるが、最後まで経験したことはない。 本当に好きだった人も一人だけいて、自分から告白をした。 クールで仲間の中でも中心的な人だった。同じ年だったが恒星はいつも男女問わず周りに人がいるような人だった。 派手な自分を装っていた私は、なんとなく上から告白をしてOK付き合った。 しかし、なかなか先に進めない私が聞いたのは、「あいつ、見かけと全く中身が違う」そう友人たちと話しているのを聞いてしまった。 見かけは派手なのに、一向に一線をこえることができない私に、嫌気がさしたとわかった。 キス以上はどうしても怖かった。そんなことはいつも自分を偽っていた私には言えなかった。 校舎の陰で聞いてしまったそのセリフに、私はそのまま卒業と同時に彼との連絡をたった。 今思えば、子供のおままごとのような恋愛。それを引きずるなんて馬鹿だと思う。 でも……。好きだったからこそそんな自分を変えたかった。それがこんなおかしな方向に行くなんて。 でも、今は自分は自分でいられるし、気に入っている。 そんなことを思いながら、駅へ向かって歩いていると、スマホのアラームがなった。
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