まじめなカノジョの拾い物

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「なんでよ!」 一番大切な時間を奪われてた上に、どうやら壁頭をぶつけたようで、頭はズキズキといたいし踏んだり蹴ったりだ。 「ちょっと! いい加減にしてよ!」 頭をさすりながら、この数年間で一番声を出した私だったが、全く反応のないその物体をこれでもかとどかそうと思った。 しかし、私にのしかかっている人はどうやら男性のようで、身長も高くびくともしない。 (嘘でしょ……) そんなことを思っていると、この男が走っていた路地の向こうから数人の強面の男たちが走ってくるのが見えた。 この状況は路上でイチャイチャしているようにしかみえなかったのか、「場所かんがえろ!」そう怒声を浴びせられつつ、彼らは走って行ってしまった。 「ちょっと、なんか誤解されたんですけど!」 怒鳴られるし、頭は痛いし、もう何が何だかわからない。 「あっ、やだ! ログインしっぱなし」 そう言ったときようやく目の前の身体が離れ、私はしゃがみこんでスマホを拾う。
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