26人が本棚に入れています
本棚に追加
/48ページ
「どぅおりゃー!」
前衛のガウルが怒号を上げて、スケルトン達に斬り掛かった。魔法が完成するまでの間は、戦士が敵を食い止めるのだ。
しかし、ガウルが剣を交えるよりも速く、エリカの聖なる呪文が完成した。
正直、速い!速すぎる!
「聖なる光の矢よ、魔を滅せよ!」
エリカの言葉と共に、光の矢が解き放たれた。
シュババババババッ!
数十本もの光の矢が、斬り掛かっていたガウルごとスケルトン達に降り注ぐ。
何だ、この量!あり得ない……まるで、光のシャワーだ。
「うおー!」
ガウルの叫び声が響き渡る中、五体のスケルトン達は、黙ったままガラガラと崩れ落ちた。
「何すんじゃい!」
ショックで硬直していた無傷のガウルは、我に返ると、エリカに詰め寄った。
「あんたバカー?」
エリカは平然と言い放つ。
「聖なる矢は、魔物にしか効きませーん。魔術の(授業)時間に習ったでしょ」
「アホか!あれ浴びてみ!死ぬかと思ったわ!」
ガウルは目尻の涙を拭うと、ブツブツ言いながら、前衛の位置に戻って行った。
最初のコメントを投稿しよう!