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クククク
タケシが声を押し殺して笑う。
僕は完成していた攻撃魔法を密かに解除した。
「よし、次はレベル2だな。次こそは俺の実力を見せてやる」
気を取り直したガウルが再び、剣を持った腕をグルグルと回した。それを見ていたエリカがニヤリと笑う。エリカの表情を見ていた僕は嫌な予感を抱いた。
「来るぞ!」
タケシが敵の襲来を告げる。
果たして、洞窟の暗がりから現れたのは、ゾンビの群れだった。
ゾンビはスケルトンと比べると動きが鈍い。しかし、レベル2に位置付けられているのには訳があった。それは、ゾンビに傷つけられると、そこから毒に侵され、自分もゾンビと化してしまうからだった。ただ、その毒は神聖魔法で浄化することができたので、僧侶のいるパーティーではさしたる脅威とはならなかった。
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