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朱音とホワイトの出会いは4月の進級式。
クラス分けで6年1組になった朱音が教室のドアをひらくと、教壇の上で何かが動いた。
小さな白猫型のロボットだ。
「わ!小さなロボット」
5年生の時に担任だった先生が言っていた。
これからはロボットの生徒も増えるかもと。
でもまさか、こんなにすぐにお目にかかることになるとは。
「かわいい……!真っ白だわ。だから......うん、お名前はホワイトにしましょう」
太ったような丸っこい身体に瞳もまたまんまる。
しっぽの部分は傘の柄のようにくるりと巻いてあって、キャンディーのよう。
なんともいえない愛嬌がある。
「ちょっと朱音ちゃん、この子のことは先生がするからいいのよ」
窓際にいた矢口先生が少し慌てて朱音に言う。
「それにこの子は……」
先生の横にいた女性も何か言っていたが、朱音は目の前の真っ白なロボットに心奪われていた。
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