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春には一緒に桜をみた。
夏には一緒にひまわりをみた。
秋には一緒にコスモスをみた。
冬には一緒に雪をみた。
ロボットの瞳は相変わらず無機質な真黒だが、すべての景色が鮮やかに映っていた。
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季節は巡り、卒業式を迎える。
「朱音、ホワイトがきたよ!」
マリに呼ばれて振り返ると、教室の出入り口にはいつもホワイトを運んでくる女性がいた。
進級式の日に先生と話していた人でもある。
いつもラフな格好だったのに、今日は着物姿で美しい。
「卒業おめでとう、そしてありがとう朱音ちゃん。今日もこの子を、よろしくね」
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