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意味がわからない。
姉ちゃんに興奮するとか、良いことでも綺麗なことでもないじゃないか。
遼平さんが両手を組んで、頭の上でうんっと伸ばす。
「ま、必要になったら遠慮なく言え」
「はい?」
「俺のチ〇コ」
「いや――」
「――今日のところは、代わりにコレをやるよ」
ヨレたシャツの胸ポケットから取り出したものを俺の前に置く。
「薬?」
病院で処方されるような、銀色のプレートに青い錠剤。
「ハ〇シ〇ン?」
「使い方はネットで調べな」
遼平さんは俺の肩を軽く叩くと、事務所を出て行った。
俺は言われた通りに、薬の名前をネットで検索する。
「睡眠導入剤……」
どうしてこんなものを持っているかは、聞かない。
遼平さんには俺の知らないコネがあるらしく、時々驚くものを持っている。
それは物だったり、情報だったり、人だったり。
とにかく、ホストなんてやってたくせにハニートラップを仕掛けられるほどの経験値がない俺には、必要そうだ。
俺は薬を財布に入れた。
財布を尻のポケットに突っ込んだ時、机の上でスマホが唸りだした。
ヴーヴー言いながら、机の上で跳ねる。
スマホに表示された名に、俺はニヤリと口角を上げた。
『Gloria』
俺は〈応答〉をタップして耳に当てた。
「もしもし」
『テル? お前指名のお嬢が来てるけど?』
「すぐ行きます。適当に飲ませておいてください。金、持ってますよ」
『りょーかい!』
スマホを机に放ると、ソファに掛けておいたスーツに着替える。
獲物がかかった。
さぁ、始まりだ――!
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