4.仕掛ける

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 カードキーのコピーもできないが、住人と一緒か、住人からの指示がなければコンシェルジュが通さない。  防犯対策が万全だと、ネットにもあった。  里菜に気に入られておく必要があるな……。 『旦那の愛人が弟とまでヤッたら、姉ちゃん泣くな』  遼平さんに言われなくてもわかってる。  だけど、姉ちゃんと幸大を傷つけた弘毅(クソ野郎)に復讐してやるには、俺自身が里菜の近くにいる必要がある。  そのために、セックスまでしなくても、多少の絡み合いには応じなければ。  想像すると怖気づきそうで、俺は気を逸らした。  それにしても、こんな金持ちお嬢様が、なんで弘毅なんてフツーの男がいいんだか……。  部屋に入ると自動でドアに鍵がかかり、照明が点く。  お嬢様はスイッチを押すのも面倒ですか。  里菜は脱いだ靴がひっくり返ってもお構いなしで、遼平さんの手を引いてずんずん歩く。  俺は自分が脱いだ靴を揃えた。  姉ちゃんの躾の賜物は、この場合はいいんだか悪いんだか。  二人の後についていくと、寝室だった。  立って抱き合う二人を前に、どうしたものかと足を止める。 「里菜、なんか飲ませろよ。いいモンあんだろ?」 「ああ、うん。ちょっと――」 「――ああ、いい。テルに用意させる。いいだろ?」  遼平さんは腕から離れようとした彼女を抱き戻す。  首筋にキスをして、胸を揉み上げる。 「っん」 「テル」 「……はい」  薬を――。
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