4.仕掛ける

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 俺と遼平さんがいなくても構わず遊んで行くらしく、店は喜んでいる。  現在のナンバーワンとツーの二人を指名することもあるようだ。  遼平さんに、里菜の興味が移っているんじゃないかと話したら『プライドの高いあの女が、お姫様扱いで満足するわけない』と言われた。  遼平さん曰く、里菜は『女王様』タイプだから、遼平さんにヤラれたままではプライドが許さないだろうと。  絶対に、遼平さんに自分を求めさせようとするはずだ、と。  実際、里菜は店に行くたびに、まず遼平さんか俺を指名しているらしい。  ただ、里菜の執着がいつまで続くかはわからない。  弘毅と里菜が会わなくなって昨日で二週間。 「あ、そうだ。旦那には俺がホストに戻ったと思わせておいてよ」 『どうして?』 「また仕事中に会ったらマズいからさ」 『……うん、わかった』 「幸大は? 元気?」  他愛のない話をして、電話を切った。  会いたいな、と思った。  姉ちゃんをハグしたら、疲れも吹っ飛ぶのに……。  そんなことを思いながら、目を閉じた。  動きがあったのは、ちょうどその夜。  店に来た里菜が、今日も俺と遼平さんがいないと知って、遊ばずに帰った。  弘毅と会うつもりだ、と思った。  里菜の部屋のカメラに接続すると、彼女は既に帰っていた。  リビングのボイスレコーダーはとっくに切れているから、スマホの音声が頼りだ。  ほどなくして、インターフォンが鳴った。  里菜がカメラから外れ、すぐに戻ってきてソファに座った。赤ワインが入っているであろうグラスに口をつける。 『お前、ずっと――』 『――奥さんとヤッた?』  里菜が唐突に聞く。 『はぁ?』
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